2016年12月07日

第37回例会(合評会)のお知らせ

日本アメリカ史学会では、12月例会(第37回例会)を下記の通り開催いたします。
年末のお忙しい時期かと思いますが、ふるってご参加ください。
また例会終了後、恒例の懇親会(忘年会)を行いますので、こちらも是非ご参加ください。
大勢の皆さまのご参加をお待ちしております。
お手数ですが、懇親会に参加される方は、以下のサイトから、12月12日(月)までに登録
をお願いいたします。(例会のみのご参加の場合、登録不要です。)

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfxERfJQnMv4zZuNlw5-HGeizQ0C3Lk8n631y0ckN8BmTdY3Q/viewform


日本アメリカ史学会運営委員会

---------------------------------------記------------------------------------------------
◆合評会
野口久美子『カリフォルニア先住民の歴史――「見えざる民」から「連邦承認部族」へ』(彩流社、2015年)

ヘザー・ウィリアムズ著、樋口映美訳『引き裂かれた家族を求めて――アメリカ黒人と奴隷制』(彩流社、2016年)

日時:2016年12月17日(土)13時~17時
場所:明治学院大学(白金キャンパス)3号館3203教室
アクセスマップ:http://www.meijigakuin.ac.jp/access/
キャンパスマップ:http://www.meijigakuin.ac.jp/campus/shirokane/

◆スケジュール(敬称略)
13:00~13:10 司会による挨拶
13:10~15:00
第一部 野口久美子『カリフォルニア先住民の歴史――「見えざる民」から「連邦承認部族へ」』の著者を囲んで
13:10~13:30 著者より本書の紹介
13:30~14:00 コメント(佐藤円)
14:00~15:00 コメントに対する応答ならびにディスカッション

休憩10分

15:10~17:00 
第二部 ヘザー・A・ウィリアムズ、樋口映美訳『引き裂かれた家族(マイ・ピープル)を求めて――アメリカ黒人と奴隷制』の訳者を囲んで
15:10~15:30 訳者より本書の紹介
15:30~16:00 コメント(和泉真澄)
16:00~17:00 コメントに対する応答ならびにディスカッション


---------------------------------------以上----------------------------------------------

2016年11月03日

『アメリカ史研究』第40号編集委員会からのお知らせ

『アメリカ史研究』第40号(2017年刊行)の原稿を、下記の要領にて募集
いたします。ふるってご投稿ください。

*自由投稿論文
どうぞふるってご投稿ください。締め切りは2016年11月25日(金)です。
執筆要項をご覧ください。


*特集論文
『アメリカ史研究』第40号に関して、「「外」から捉え直すアメリカ史」(仮)」というテーマで、論稿を募集します。2017年は、アメリカ史研究会の発足から数えて、40周年という記念すべき年になります。 それを踏まえて特集も、個別の実証研究であると同時に、従来のアメリカ史研究を問い直す試みを歓迎します。テーマの「外」には、アメリカ史を一国史としてではなく、世界史の枠組みで捉え直してみたらという思いがあり、それによって新たな方向性を示しうるものを期待してのことです。

「外」というのはやや抽象的ですが、それだけに様々な「外」を想定しています。例えば、地理的な「外」という意味では、諸外国との関係や影響を問い直す試みや、外部との人・モノ・ことの移動ネットワークを明示するものや、アトランティック・ヒストリーをはじめとする海域からの射程によるものなどが上げられます。また、東西と南北の「外」と接する国境地域における「外」との相互関係や、「外」と越境するものなどの特徴を比較検証するのも一考です。さらには、地理的な「外」から目を転じて、「内」に包摂される「外」、例えば、マイノリティの経験した「国内植民地」的な過去を問い直すこともあるでしょうし、また、実体としても、認識面でも、われわれの生活空間を取り巻く「外」である「環境」といった側面からのアプローチも可能性を秘めています。刺激的な「外」を提示する論稿をお待ちします。


枚数は400字詰め50枚(2万字)程度
締め切りは2017年3月10日(金)です。


*注意事項
投稿申し込みの際には、原稿の題目・要旨、投稿者の氏名・所属・連絡先(住所・電話番号・メールアドレス)を明記してください。(申込のフォーマットはありません。)申し込みは、下記のメールアドレスに添付ファイルとして送付するか、ハードコピーを学会事務局に送付してください。なお、編集委員会からの受領通知をかならずご確認ください。先般、いくつかのメールサービスからの連絡が届かない事故がありました。

編集委員会Eメールアドレス: editors★jaah.jp
(送付の際は★の箇所に@を挿入してください)。

学会事務局宛先:
〒231-0023 横浜市中区山下町194-502
学協会サポートセンター内
日本アメリカ史学会事務局


日本アメリカ史学会編集委員会

2016年10月14日

中・四国アメリカ学会「第44回年次大会」について

中・四国アメリカ学会より「第44回年次大会」についてのご案内がありました。
大会日程と詳細なプログラムは、こちらをご確認ください。


日本アメリカ史学会運営委員会

2016年09月20日

第13期役員について

アメリカ史学会第13期(2016年~2017年)の学会組織および役員は以下のとおりです。

運営委員会
代表   宮田伊知郎
副代表  内田綾子(第14回年次大会実行委員長)、大津留(北川)智恵子
会計   後藤千織
委員   小田悠生、兼子歩、佐々木豊、野口久美子、畠山望、丸山雄生、村田桂一

編集委員会
代表   田中きく代
副代表  松原宏之
委員   石川敬史、金井光太朗、倉科一希、鈴木透、豊田真穂、南修平

幹事会
北海道 ・ 東北    小原豊志、村田勝幸
関東         松原宏之、宮田伊知郎
中部         内田綾子、久田由佳子
関西         大津留(北川)智恵子、小野直子、佐々木豊、田中きく代
中国 ・ 四国 ・ 九州  田宮晴彦、寺田由美


会計監査
坂下史子、武井寛
(50音順)


日本アメリカ史学会運営委員会

2016年09月12日

学会宛てのメイル不着の問題について

この度、学会宛てにお送りいただくメイルの種類によって、メイルが運営委員会に届かないだけでなく、送り主にも不着の知らせがないという事態が生じていることが発覚しました。具体的にはGmailの不着ですが、それ以外にも同じようなトラブルが発生している可能性があります。何年も使用してきたサーバーで初めて発覚した事態ですが、これまでもご迷惑をおかけした事例があったのではないかと懸念しております。
運営委員会では、頂戴したメイルに対しては受理のお返事をお送りしております。もし学会宛てにメイルをお送りいただいても、折り返し受理のメイルが届かない場合、上記と同じようなトラブルの可能性がございます。そうした場合、お手数ではございますが、別のメイルアドレスを用いて再送いただけますよう、お願い申し上げます。
特定のメイルが不着となる問題の原因がわかり次第、運営委員会として対応して参る所存でございますが、即座の対応は難しいと思われます。会員の皆さまにメイル不着による不利益を生じさせないためにも、お手数ではございますが、受理メイルのご確認とそれが届かない場合の対応で、当面のご協力をお願い申し上げます。


日本アメリカ史学会運営委員会

2016年09月06日

日本アメリカ史学会第13回(通算第41回)年次大会のお知らせ

日本アメリカ史学会第13回(通算第41回)年次大会のお知らせ

来る9月17日(土)・ 18日(日)の両日、明治大学駿河台キャンパスにおいて、日本アメリカ史学会第13回年次大会を開催いたします。ふるってご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。

◆年次大会プログラムはこちら

◆プログラム・要旨集(会員専用、パスワード必要)はこちら

◆会場案内地図
アクセスマップ
https://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html 
キャンパスマップ(リバティタワー)
https://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html

◆懇親会費
1日目の懇親会参加希望の方で、事前に申し込みをされていない場合は、受付にて懇親会費をお支払いください。懇親会費は、A会員5000円、B会員3000円、非会員5000円です。

◆大会参加費
会員は不要です。非会員の方からは資料代として500円を当日申し受けます。

ただし、17日(土)のシンポジウムA「文化論的転回とアメリカ史―『転回』以後を考える」に限り、非会員の方にも無料で一般公開致します。歴史学と文化論的転回を考えるというテーマは、アメリカ史はもとより、諸分野に関連する内容ですので、新規会員の掘り起こしにつながるものと期待しております。会員のみなさまには、周囲で関心のある方にぜひお声かけをいただけますよう、よろしくお願いいたします。

◆お問い合わせ            
大会に関するお問い合わせは、運営委員会(office★jaah.jp)までお寄せください。
(★を@に換えてください)

多数のみなさまのご参加をお待ちしております。 
            
日本アメリカ史学会運営委員会

2016年08月15日

全国大学院生協議会より院生会員へのアンケート調査依頼

全国大学院生協議会(全院協)より、2016年度『大学院生の研究・生活実態に関するアンケート調査』への協力依頼がありました。本調査は、全国各大学院の加盟院生協議会・自治会の協力の下に実施する全国規模のアンケート調査で、大学院生の経済状態や研究・生活環境を把握し、向上に資する目的で行われるものとのことです。
本調査の結果をもとに、文部科学省、財務省、国会議員および主要政党に対して、学費値下げや奨学金政策の拡充などの要請を行なっているそうです。ご協力可能な院生会員の方は、2016年度大学院生の研究・生活実態に関するアンケート調査(Web版)よりご回答ください。調査は10分ほどで終わるそうです。調査実施期間は9月15日までとのことです。よろしくお願いします。


日本アメリカ史学会運営委員会

2016年06月12日

日本アメリカ史学会 研究支援グラントの募集

日本アメリカ史学会 研究支援グラント募集要項

下記の要領で「日本アメリカ史学会研究支援グラント」への募集を
行います。厳正な審査を経て採択された1名の会員に対して、調査
費扶助を目的とした10万円の補助金を付与します。


            記

1.申請資格
・修士号以上を持ち、かつ専任職に就いていない会員であること。

・日本学術振興会研究員ポストを含む他のグラントの受給歴がある
場合は、その旨を申告すること。本事業には、他のグラントの受給
歴のある会員の応募も可能であるが、審査にあたっては受給歴を
含めて総合的な判断をおこなう。

・申請時において入会後2年度を経過しており、申請時に滞納会費
のないこと。


2.申請手続き
「研究支援グラント申請書」に必要事項を記入し、署名をした上で、
学会事務局(office@jaah.jp)にメール添付で提出すること。

・応募期間 2016年6月13日(月)~ 7月31日(日)


3.審査
・審査には、日本アメリカ史学会運営委員会が設置するグラント審
査委員会が当たる。グラント審査委員会は、運営委員会以外の会
員2名および運営委員3名から成る。

・2016年9月に申請者に対して結果を通知する。

・審査結果は、2016年度大会時の総会において審査過程の説明とと
もに会員に報告する。


4.採択後の手続き
・採択者1名に対して、年次大会後すみやかに補助金全額(10万円)
を交付する。

・採択者は、翌年度年次大会までに調査を完了し、報告書および必
要な領収書を提出すること。

・調査成果を論文として発表する際には、当グラントを受給した旨
を記載し、運営委員会にも報告すること。

・何らかの事情で調査がなされない場合、運営委員会が研究に必
要とみなせないと判断する支出があった場合、また使途不明な支
出があった場合には、グラント交付金全額を返還すること。

            
            以上


日本アメリカ史学会運営委員会

2016年05月15日

日本アメリカ史学会第13回年次大会 プログラム概要

日本アメリカ史学会会員の皆さま

本年9月17日(土)、18日(日)に明治大学駿河台キャンパスで開催いたします、第13回年次大会のプログラムの概要をお知らせいたします。皆さまの積極的なご参加をお待ちしております。

なお、詳しいプログラムは7月上旬頃にメイリングリストでお届けいたします。大会参加登録と懇親会申込みも7月頃からお願いいたします。今回より年次大会プログラムは郵送いたしませんので、メイリングリストにお届けのアドレスを更新されていない会員は、「会員情報変更の手続き」にあるフォーマットを用いて学協会サポートセンターまで至急ご連絡ください。

日 程:2016年9月17日(土)~18日(日)
開催地:明治大学駿河台キャンパス

プログラム

9月17日(土)

14:00~17:30  
1.シンポジウムA
「文化論的転回以後――アメリカ文化史の再検討(仮)」

【趣旨】
 文化史には長い伝統があるが、1990年代の「文化論的転回」以降、とくに隆盛を迎えている。文化論的転回は多面的で複雑な変化だが、特徴の一つは文化の定義を拡大したことにある。古典的な高級文化、社会史が論じた民衆文化を超えてよりポピュラーなものへ、かたちあるものだけでなく行為や習慣へ、一国にとどまらないグローバルな権力や資本へ、文字や視覚以外の感覚へと文化史の射程は広がった。次に、現代思想や批評理論による言語論的転回に影響を受け、文化は社会制度や下部構造の反映ではなく、逆に文化を通して現実が構築されると考えるようになった。また、歴史学内外の様々な分野との交差から、多様なテーマについて学際的なアプローチが取られるようになった。
 こうした変化と達成の一方で、文化論的転回には批判もつきまとう。「文化主義 (culturalism)」と呼ばれるように文化への傾斜が強まり、あらゆるものが文化となることで、文化の境界や文化史の意義は曖昧になった。構築主義と文化の自律性の主張は、文化を社会的基盤や政治性から切り離し、長い歴史を俯瞰する巨大な視点を置き去りにした。はたして文化論的転回は何をもたらしたのか、それは文化の理解をどのように変えたのか、問題点があるとしたら文化史はそれにどのように答えるのだろうか。
 本シンポジウムは、文化論的転回を振り返り、その意義と課題を踏まえた上で、転回以後の歴史学を考える試みである。社会史がマイノリティを、新しい文化史が象徴的な事件を論じたのに対し、文化論的転回はしばしばよりありふれた、日常的な行為の実践やモノの消費の意味を考えてきた。モノは単なる客体にとどまらず、人間がそれを使うと同時にモノが人を形づくるように、あるいはパフォーマンスが主体の表出ではなく、主体を形成するプロセスであるように、文化の詩学から政治学への転換は人と現実が取り結ぶ関係性の再考を要求する。本シンポジウムでは、転回のヒストリオグラフィーを総括するとともに、現在の文化史の問題意識を共有することで、構築物と現実の、文化と社会の、テクストとコンテクストの間を架橋する議論を期待したい。

報告:
野村奈央(埼玉大学)
小林剛(関西大学)
松原宏之(立教大学)

コメント:
生井英考(立教大学)
丸山雄生(一橋大学)

司会:
丸山雄生

2.総会 17:35~18:20 

3.懇親会 18:30~20:30 場所:明治大学キャンパス構内を予定
      
9月18日(日)

9:20~12:05
4.自由論題 (2016年6月9日修正)

司会:
村田桂一(一橋大学・院)・野口久美子(明治学院大学)

報告:
① 藤田怜史(明治大学)
「エノラ・ゲイ論争に見る博物館展示の政治性―国立航空宇宙博物館の妥協と抵抗―(仮)」

② 倉林直子(川村学園女子大学)
「1950年代の歌舞伎招致運動―ジョシュア・ローガンを中心に―」

③ 佐藤夏樹(京都大学)
「『ヒスパニック』と外交への関与―1980年代LULACの外交活動―」

④ 賀川真理(阪南大学)
「第二次世界大戦下における日系ラテンアメリカ人の強制送還に関する一考察―彼らがなぜアメリカに送還されなければならなかったのか―(仮)」


13:30~16:00

シンポジウムB 
「グローバル化する世界とアクティヴィズム(仮)」

【趣旨】
 21世紀初頭のアメリカは、「新たなアクティヴィズムの時代」として位置づけられるだろう。「ティーパーティ」、「オキュパイウォールストリート」「ブラックライヴズマター」など、担い手や立場、目的におけるこうした多様性が新たなアクティヴィズムの特徴といえる。さらに強調しておかなければならないのは、グローバルなひろがりである。インターネット技術の飛躍的向上により日常生活の一部となったソーシャル・ネットワーキング・サーヴィスが、この基盤となったことは言を俟たないだろう。しかしながら、グローバル化によって起こるアクティヴィズムは、この数十年に突如として起こった現象ではない。たとえば、古くは15世紀以降、アメリカズ・アフリカ・アジアはヨーロッパ人による「進出」と移住・植民地化を通じて徐々に接続され、ヨーロッパ世界/資本主義経済へと統合されていった。その過程において、国民国家や人種のような新しい概念が創出され社会を編成していくが、アクティヴィズムは、このプロセスのなかで絶えず登場しそれぞれの時代を規定しつつ、またこのプロセスに対して再帰的な影響を及ぼしてきた。過去の中に、各時代に特有のグローバルなアクティヴィズムを発見できるのである。
 本シンポジウムは以上の点を踏まえて、アメリカの歴史的展開の中で各時代にいかなるアクティヴィズムが登場し、沈静していったのかを「グローバル化」をキーワードとし再考する。各時代には固有の「グローバル化」現象があり、またそうした状況に応答するアクティヴィズムも一様ではない。本シンポジウムの目的は、グローバル化とアクティヴィズムの関係をその意味内容から再考することで、アメリカの現在を歴史的観点から相対化し、より深く理解することである。この作業を通じて、ある歴史的状況に特有のアクティヴィズムの「新しさ」とは何か、そのアクティヴィズムを生んだ「グローバル化」がいかなるものであったのかを検討するのが、本シンポジウムの目標である。
 グローバル化とアクティヴィズムを問うことは、日本における「歴史学のアクチュアリティ」を再検討することにもつながるであろう。2015年に「安保法案」に対する抗議の運動が若者を中心に勃興した。このことは、日本においても新しいアクティヴィズムの意味を歴史に照らして考察することが喫緊の課題であることを示していよう。アメリカにおけるアクティヴィズム史の再検討は、日本におけるアクティヴィズムの現在と未来を考察するうえでも有益な作業となるだろう。

報告:
森丈夫(福岡大学)
牧田義也(立命館大学)
村田勝幸(北海道大学)

コメント:
坂下史子(立命館大学)

司会:
宮田伊知郎(埼玉大学)


シンポジウムC
「アメリカ占領下日本におけるセクシュアリティ統制の遺産」

【趣旨】
 本シンポジウムは、占領期の日米関係をセクシュアリティの統制という視点から検討する。また、占領下日本における日米の性的接触が、アメリカ国内のジェンダー・セクシュアリティ・人種の秩序や、その後のアメリカの軍事政策に与えた影響を考える。アメリカ占領下の日本に限らず、占領には恋愛から売買春、レイプにいたるまで、占領者/被占領者の間に様々なレベルの性的接触が伴った。占領軍にとっても、被占領者にとっても、性的接触とその帰結をコントロールする政策を画定する必要があった。占領者/被占領者が取り結ぶ性的関係や親密性は、「良好な占領関係」を築くための不可欠な道具であった一方で、占領者/被占領者の境界線を曖昧にする可能性も秘めていたからだ。そのため、占領期から占領終了直後にかけての日本では、優生保護法や売春防止法といった、セクシュアリティを統制する法律が「日米合作」で制定される。これらの法律は、今日に至るまで日本の性規範に影響を与えてきた。
 近年、占領地における米軍兵士の性を扱った歴史研究が増えている。これらの研究は、軍事政策と性の不可分な関係を明らかにするとともに、アメリカによる他国への軍事介入と占領が「民主主義」と「女性解放」をもたらすという物語が、いかに誤ったものであるのかを証明している。先行研究は、「成功例」と語られ続けるアメリカによる日本占領についても、セクシュアリティの観点からすれば、多くの限界があることを示している。
 本シンポジウムは、売買春対策、人口政策、教育、移民政策など様々な位相から、アメリカ占領下日本におけるセクシュアリティ統制の特質を総合的に考察する。軍の管理売春を公式に禁じるアメリカは、いかにして「慰安所」や基地周辺の売買春を管理し、「パンパン」と見なされた女性たちに「キャッチ(検挙)」と呼ばれる暴力を振るったのか。占領軍は日本の人口管理にどのように関与したのか。占領軍兵士と日本人女性との間に生まれた「混血児」と呼ばれた子どもたちに、いかなる教育実践が施されたのか。アメリカに移住した「戦争花嫁」や「混血児」たちは、アメリカの移民政策や人種政策をどのような変化をもたらしたのか。本シンポジウムは、占領期日本におけるセクシュアリティの統制を様々な角度から検証することで、アメリカが世界各地で軍事的プレゼンスを確立するうえで行ったセクシュアリティ統制が、当該地域だけでなくアメリカ本国にも与えた影響を明らかにする。

報告:
平井和子(一橋大学・講)
上田誠二(首都大学東京・講)
ルーシー・クラフト(フリージャーナリスト)

コメント:
豊田真穂(早稲田大学)

司会:
後藤千織(青山学院女子短期大学)

日本アメリカ史学会運営委員会

2016年05月07日

日本アメリカ史学会第36回例会 「パネル企画:文化の境界性」

日本アメリカ史学会では、関西アメリカ史研究会、国際政治学会関西例会と共催で、「文化の境界性」と題して、7月の例会を以下の要領で開催いたします。ふるってご参加ください。

日時: 2016年7月9日(土) 14:00~17:30 
会場: 関西大学千里山キャンパス第一学舎5号館E403号室
〈交通アクセス〉    http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/access.html
〈キャンパスマップ〉 http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/mapsenri.html (黄色1-5の建物の4階)

※例会終了後に、関西大学構内のレストランにて懇親会を実施します。会費は飲み物込みで3500円です。ご参加の方は7月2日(土)締め切りで、大津留(ckotsuru(a)kansai-u.ac.jp)までお申し込みください。


報告者:
山本 航平(同志社大学・院)
「19世紀末キーウェストにおけるキューバ人移民コミュニティ
             ――野球と独立運動の関係を中心に」

徳永 悠(京都大学)
「戦前ロサンゼルスにおける日本人移民とメキシコ人移民の相互関係
            ――環太平洋地域を見渡す社会史として」

森山 貴仁(フロリダ州立大学・院)
「1970年代の多文化保守主義とラティーノ」  

討論者: 南川文里(立命館大学) 
     小田悠生(中央大学)

「パネル企画: 文化の境界性」
企画の趣旨:
 移民の国アメリカを構成する人口は近年非常に多様化していますが、その中でも急速に人口比が増しているのがラテン系の人びとです。ヨーロッパとの関係を強く持ちながら発展したアメリカは同時に、隣接あるいは近接するラテン系の国々と複雑な関係を展開してきました。今日アメリカの領土となっている南西部は、19世紀まではメキシコの領土でありました。また、キューバとの関係は冷戦の文脈で注目されがちですが、19世紀からキューバ人はアメリカ社会の中に移民コミュニティを形成してきました。このように、ラテン系の人びとはアメリカ合衆国との間に、あるいはその内側に形成された多様な境界を挟みながら、自らの存在の意味をアメリカ社会に問い続けてきたと言えます。
 本企画では、3名の報告者が、19世紀末から20世紀後半までの時期を対象として、メキシコ系・キューバ系を含むラテン系がエスニシティに基づいて展開した政治・社会運動と、それぞれの時期のアジア系アメリカ人を含む他の民族・文化集団との間で構築された相互関係に着目して歴史的に考察します。その際、ラテン系コミュニティの故国との関わり合いが如何なる影響を及ぼしたのか、ラテン系という集団の境界性がどのように引かれたのか、さらにまた「文化の境界」を透過する集合的なアイデンティティの形成や各集団間の対立・依存・連帯といった諸問題がどのように展開したのかについて、国際情勢との関連性も視野に入れながら考えたいと思います。
     
報告要旨:
山本 航平(同志社大学・院)
「19世紀末キーウェストにおけるキューバ人移民コミュニティ――野球と独立運動の関係を中心に」
 アメリカ合衆国へのキューバ人移民(亡命者)は、第一次キューバ独立戦争(1868-78年)の勃発以降、急激に増加する。現在の合衆国においては、フロリダ州マイアミに最大のキューバ人コミュニティが形成されているが、最初期の移民たちは主に同州キーウェストへと渡った。
 従来の研究において、タバコ産業で栄えたその小島が、キューバ独立運動の過程で重要な役割を担ったことは指摘されている。しかしそれらは、ホセ・マルティのような独立運動の中心人物とキーウェストの関係性や、タバコ労働者たちの労働運動に注目する傾向が強く、コミュニティ内部の文化的側面はほとんど等閑視されてきた。
 上記の問題意識のもと、本報告では野球とキューバ人移民の関係を軸に議論を進めることで、野球がいかにキューバ人のネットワークを構築し、どのような形で独立運動のコンテクストと接合していたのかについて検討したい。

         
徳永 悠(京都大学)
「戦前ロサンゼルスにおける日本人移民とメキシコ人移民の相互関係――環太平洋地域を見渡す社会史として」
 19世紀中頃から現在まで、アジア人とメキシコ人は様々な差別や格差を経験しながら、ロサンゼルス社会の経済的・文化的発展に大きな影響を与えてきた。アジア人移民とメキシコ人移民それぞれについてはすでに数多くの歴史的研究があり、さらに近年、両者の相互関係に関する研究も次第に増えつつある。しかしながら、戦前ロサンゼルスで主要な移民集団として非白人人口の約8割を占めていた日本人移民とメキシコ人移民の相互関係に着目した研究は、言語的制約もあり、一次資料にもとづいた詳細な研究がまだ殆ど為されていない。
 本報告では、アジア人移民とメキシコ人移民の相互関係に関するこれまでの主要な研究を概観した上で、戦前ロサンゼルスで生活した日本人移民とメキシコ人移民の相互関係について理解することが、環太平洋地域という広い枠組みの社会史研究にどのように貢献し、新たにどのような知見を我々に与えてくれるかについて報告する。

森山 貴仁(フロリダ州立大学・院)
「1970年代の多文化保守主義とラティーノ」  
 本報告では、ラティーノを中心に1970年代以降の「多文化保守主義(multicultural conservatism)」について検討する。保守主義運動は白人中産階級を主体とし、移民や、カソリック、人種統合、同性愛者の権利などに対する反発を特徴として、排他性の強い運動とされる。しかし長期的にみると、かつて排外主義の攻撃対象であったカソリックやユダヤ系の一部が1930年代には保守主義に加わったように、保守主義は包摂性も擁している。この包摂の傾向は市民権運動の時代(1954-1965年)以降にもみられ、黒人、女性、同性愛者、ラティーノ、アジア系などから保守主義に参加する者たちが現れた。なぜこうしたマイノリティは、自らが所属する集団に批判的な保守主義を支持するのだろうか。今回の報告は1970年代以降の保守派ラティーノに焦点を当て、とくに宗教の役割について考察したい。


日本アメリカ史学会運営委員会

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