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2019年09月 アーカイブ

2019年09月04日

年次大会における託児補助のご案内

日本アメリカ史学会会員のみなさま

日本アメリカ史学会大会では、年次大会当日に一時保育・ベビーシッター等を利用する大会参加者に対して、本人からの申請に基づき費用の一部を補助いたします。概要は下記の通りです。

対象期間:
年次大会が開催される2日間

対象となる子ども:
小学校入学前の未就学児

補助金額:
大会2日間で、託児人数1名につき上限3,000円とします(託児日数が1日でも2日でも支給金額は変わりません)。
例:
3人託児(1日)の場合:3,000×3=9,000円
2人託児(2日間)の場合:3,000×2=6,000円
※託児料金が3,000円に満たない場合は、支払金額までを補助対象とします。

申請方法:
大会前日までに、メールに以下の情報を記入し、運営委員会(officeアットマークjaah.jp)までお送りください。
1)名前
2)所属
3)メールアドレス
4)託児サービス利用日
5)利用する事業者名
6)利用する事業者の連絡先

補助金の支払い方法:
申請した方は、大会当日または後日、アメリカ史学会運営委員会まで、託児サービス事業者からの正式な領収書または請求書(託児サービスの利用日時や時間等が明記されているもの。領収書または請求書に、利用日時の記載がない場合は、予約の詳細がわかるような当該事業者のウェブサイトやメールのコピーなども添えてください)と、振込先の口座番号のご提出をお願いします。お支払いを確認した上で、後日、ご指定の口座に補助金を送金します。

日本アメリカ史学会運営委員会

2019年09月09日

南山大学アメリカ研究センター主催講演会のお知らせ

会員の方から、以下の講演会の案内がありました。

南山大学アメリカ研究センター主催講演会
(共催:南山大学大学院国際地域文化研究科、名古屋アメリカ研究会)

1. 日時:10月12日土曜日 午後2時から午後6時頃まで
2. 場所:南山大学R棟R49教室
R棟は、正門入って、総合受付からすぐ左へ向かってください
南山大学キャンパスマップ
https://www.nanzan-u.ac.jp/CMAP/nagoya/campus-nago.html
3. 共通タイトル:
「奴隷制廃止運動からベトナム反戦へ—トランプ政権とは異なるアメリカを探る—」
4. 趣旨:
日本におけるアメリカ研究・アメリカ史分野の研究を長年にわたり牽引されてきた上杉 忍、油井大三郎両氏より、最近刊行された著作のモチーフとその概要を中心に語っていただきながら、今顕在化する排外主義と一国主義ではない、多文化包摂的で多国間協調的な文脈に沿った「もう一つのアメリカ」像に関して提示をして頂きます。併せて、これまで触れられる機会のなかったお二人の自分史に関しても語って頂きながら、日本人研究者としてのアメリカとの関わり方についてもご提言を頂く予定です。

5. 講演会内容;
(1)講演1 上杉 忍 氏(横浜市立大学名誉教授)
南部農村黒人の抵抗運動からみたアメリカ—
『ハリエット・タブマン—「モーゼ」と呼ばれた黒人女性』 (新曜社、2019年)を
中心に—
・コメント:荒木和華子 氏(新潟県立大学国際地域学部専任講師)

(2)講演2 油井大三郎 氏(東京大学・一橋大学名誉教授)
同時代史としてのベトナム反戦運動—『平和を我らに—越境するベトナム反戦の
声』(岩波書店、2019年)を中心に—
・コメント:平田雅己 氏 (名古屋市立大学人文社会学部准教授)

(3)全体討論

【日本アメリカ史学会編集委員会】第43号自由投稿原稿募集のお知らせ

『アメリカ史研究』第43号(2020年夏発行予定)では、下記のように自由投稿原稿を募集しています。執筆要項を確認の上、ふるってご投稿下さい。

1.投稿資格
日本アメリカ史学会の会員

2.制限枚数
論文:1ページ43字×38行で19ページまで
  (第36号以降、それ以前より制限枚数が引き上げられています)
研究ノート:1ページ43字×38行で12ページまで
研究動向:1ページ43字×38行で9ページまで
※いずれも注・図表を含む(厳守)。また英数字は2文字で、かな1文字と数える。

3.期限
完成原稿の提出 2019年11月22日(金)必着
※投稿の事前申し込み制度は廃止しました。

4.注意事項
①投稿の際には、原稿に表紙をつけ、そこに投稿者の氏名、所属、連絡先(住所、電話番号、メールアドレス)と、ジャンル(「論文」「研究ノート」「研究動向」のいずれか)を明記してください(論文本文にはタイトルのみを記し、氏名等は記載しないこと)。

②原稿は横書きとし、フォーマット等に関しては、日本アメリカ史学会ホームページに掲載の執筆要項に従ってください。使用言語は日本語です。

③投稿に際しては、推敲を経た「完成原稿」を提出するようにしてください。字数、表記、構成などの点で、投稿論文としての要件を満たしていなければ、受理しないこともあります。

④原稿の提出は、メール添付によりMSワードあるいはPDF形式のファイルの形で編集委員会宛に送ると同時に、印刷したものを1部、郵送その他の方法で学会事務局に届けてください。

編集委員会メールアドレス:editors(a)jaah.jp (a)を@に置き換えください。
学会事務局住所:日本アメリカ史学会事務局
〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-1-1パレスサイドビル
株式会社毎日学術フォーラム内

※電子ファイルだけでなく、ハードコピーも、締め切り当日までに必ず学会事務局に届くようにしてください。
※原稿を受け付けた後、編集委員会から確認のメールをお送りします。

⑤投稿原稿は、編集委員会と外部レフリーが審査し、その結果を投稿者に通知します。

『アメリカ史研究』編集委員会

2019年09月19日

台風17号の接近に伴う年次大会開催の可否について

アメリカ学会第16回年次大会への参加を予定の皆様

現在、台風17号が発生し、9月22日(日)には九州北部に接近することが予想されております。

台風に伴い大会を開催するか否かの判断を、21日(土)および22日(日)の午前9時に会員向けメーリングリストおよび公式ウェブサイトにて発表いたしますので、必ずご覧ください。

日本アメリカ史学会運営代表
兼子 歩

2019年09月21日

21日(土)の開催について

年次大会への参加を予定されている皆様

本日9月21日(土)は、予定通り年次大会を開催いたします。明日の開催の是非につきましては、本日のなるべく早い時間に決定いたします。ご迷惑をおかけいたします。

日本アメリカ史学会運営委員会
兼子 歩

年次大会の2日目について

年次大会への参加・登壇をご予定の皆様へ

明日9月22日(日)の大会2日目は、台風17号の接近により、すべて中止といたします。登壇予定者の方には、今後の諸対応に関しまして、追って直接ご連絡申し上げます。

なお、本日21日(土)のプログラムは、懇親会も含め、全て予定通り行います。懇親会の払い戻しはいたしませんので、ご了承ください。

本日お越しの皆様には、くれぐれも安全にお気をつけください。

ご迷惑をおかけいたしますこと、心よりお詫び申し上げます。

日本アメリカ史学会運営代表
兼子 歩

日本アメリカ史学会会則

日本アメリカ史学会会則

第1章 総則

第1条 本会は日本アメリカ史学会と称する。英語名称は、The Japanese Association for American History (JAAH)とする。

第2条 本会の事務局は、運営委員会の定めるところに置く。

第3条 本会は、学問の自主性、科学的な歴史研究、自由な問題提起ならびに建設的な批判、会員相互の対等性を尊重する立場にたって、研究者の交流を図りつつ、研究を深め、発展させることを目的とする。本会は、アメリカ合衆国のみならず、カナダ、カリブ海域やラテン・アメリカ諸国を含む南北アメリカ大陸の歴史を主たる研究対象とする。

第4条 本会は、前条の目的を達成するために下記の活動を行う。
1. 年次大会や研究会の開催
2. 共同研究
3. 国内外の歴史研究を目的とする学術団体との交流
4. 会誌や会報の発行
5. 研究成果の発表
6. その他総会で認めた活動

第2章 会員

第5条 本会の目的に賛同し、所定の会費を納入する者をもって会員とする。入会を希望する者は、事務局に入会申込書を提出し、運営委員会の承諾を得なければならない。退会する者は、事務局に退会届を提出しなければならない。

第6条 会費年額は、別に定める。会費を二年滞納した者は、退会したものとみなす。但し、退会したとみなされた者は、滞納分会費を納入することにより、会員資格を回復することができる。

第7条 会員は、会誌および会報の配布を受けることができる。

第8条 会員は規定の手続きにより休会・復会することができる。

第3章 運営および組織

第9条 本会の最高機関は総会とする。総会は毎年1回、年次大会中に開催し、運営委員会がこれを召集する。運営委員会が必要を認めたときは、臨時総会を召集することができる。

第10条 本会に下記の役員を置く。選出方法と任期については別に定める。
運営委員会代表 1名
運営委員会副代表 2名
運営委員 若干名
編集委員会代表 1名
編集委員会副代表 1名
編集委員 若干名
地域代表幹事 若干名

第11条 前条の運営委員会および編集委員会の代表は、会員の選挙により選出する。その方法については別に定める。ただし、運営委員会副代表のうち1名については、運営委員会代表の推薦により運営委員会で決定し、総会に報告する。

第12条 運営委員会は、総会において承認された委員により構成され、会活動の事務を担当する。運営委員の選出方法・任期については、別に定める。

第13条 編集委員会は、総会において承認された委員により構成され、学会誌『アメリカ史研究』の編集業務を担当する。編集委員の選出方法・任期については別に定める。

第14条 地域代表幹事は、九州・中国・四国地域、関西地域、中部地域、関東地域、東北・北海道地域の5地域より選出される。その選出方法・任期については、別に定める。

第15条 地域代表幹事は、幹事会を組織して、地域間の連絡調整を図り、本会の円滑な運営に協力する。

第16条 本会の経費は、原則として会費によってまかなう。会費以外の収入を考慮する場合は、総会の承認を必要とする。運営委員会は、会計監査を経た上で、総会において会計報告を行い、総会の承認を得なければならない。

第17条 本会の運営に必要な事項に関しては、内規を定めることができる。内規の制定・改廃にあたっては、総会の承認を得なければならない。

第18条 本会の会則は、総会において、出席者の三分の二以上の賛成を得ることにより改正することができる。

2004年9月18日制定
2008年9月20日改正
2019年9月21日改正

「年次大会に関する内規」

第1条(開催地)
年次大会は、関東地域とそれ以外の地域の隔年開催を原則とする。開催地は、幹事と協議の上、運営委員会で決定し、総会に報告する。

第2条(実行委員会)
関東地域で年次大会を開催する場合は、運営委員会が実行委員会を兼ねる。関東以外で年次大会を開催する場合は、開催地域の会員が実行委員会を組織、委員長を選出し、総会に報告する。

「運営委員会・編集委員会に関する内規」

第1条(運営委員会の構成)
運営委員会は、代表・副代表を含む11~13名の委員から成る。

第2条(運営委員の任期)
運営委員の任期は2年とする。ただし、代表・副代表以外の委員については再任を妨げない。

第3条(運営委員会代表・副代表の選出方法)
1. 代表および副代表のうち1名は、選挙で選出する。その際、2名合わせて代表候補として選出し、それぞれが2年の任期のうち前後半いずれかの1年を正および副代表として務める。もう1名の副代表には、関東以外の地域で行われる次回年次大会の実行委員会委員長が就任する。
2. 被選挙権者は、以下の資格を満たさなければならない。
・会員歴3年以上であること
・過去において運営委員会代表経験者でないこと
・選挙時に編集委員会代表でないこと
3. 投票は郵送によって行う。
4. 選挙に際して、選挙管理委員若干名を総会が任命する。
5. 選挙管理委員は、投票用紙の受取・開票・集計を行い、結果を運営委員会に報告する。
6. 最多得票者から順に2名を次期運営委員会代表候補とみなす。
7. 運営委員会は、次期運営委員会代表候補から代表就任の承諾を得る。
8. 次期運営委員会代表候補2名は、それぞれの正・副代表就任期間を決定し、運営委員会に伝える。

第4条(運営委員の選出方法)
運営委員会は、次期運営委員会代表候補とともに、次期運営委員候補8名を選び、各候補者より内諾を得る。

第5条(新運営委員会の承認)
運営委員会は、総会において、次期運営委員11名(代表1名・副代表2名と委員候補8名~10名)を紹介し、承認を得る。

第6条(編集委員会の構成)
編集委員会は、代表・副代表を含む8名の委員から成る。

第7条(編集委員の任期)
編集委員の任期は2年とする。ただし、代表・副代表以外の委員については再任を妨げない。

第8条(編集委員会代表・副代表の選出方法)
1. 代表および副代表は、選挙で選出する。その際、2名合わせて代表候補として選出し、それぞれが2年の任期のうち前後半いずれかの1年を正および副代表として務める。
2. 被選挙権者は、以下の資格を満たさなければならない。
・会員歴3年以上であること
・過去において編集委員会代表経験者でないこと
・選挙時に運営委員会代表でないこと
3. 投票は郵送によって行う。
4. 選挙に際して、選挙管理委員若干名を総会が任命する。
5. 選挙管理委員は、投票用紙の受取・開票・集計を行い、結果を運営委員会に報告する。
6. 最多得票者から順に2名を次期編集委員会代表候補とみなす。
7. 運営委員会は、次期編集委員会代表候補から代表就任の承諾を得る。
8. 次期編集委員会代表候補2名は、それぞれの正・副代表就任期間を決定し、運営委員会に伝える。

第9条(編集委員の選出方法)
編集委員会は、次期編集委員会代表候補とともに、次期編集委員候補6名を選び、各候補者より内諾を得る。

第10条(新編集委員会の承認)
編集委員会は、総会において、次期編集委員8名(代表1名・副代表1名と委員候補6名)を紹介し、承認を得る。

「幹事会に関する内規」

第1条(幹事会の構成)
幹事会は、九州・中国・四国地域、関西地域、中部地域、関東地域、東北・北海道地域の5地域より選出される各2名と、運営委員会正副代表と編集委員会正副代表から構成される。幹事会は、原則として、年次大会時に開催される。

第2条(地域代表幹事の任期)
幹事の任期は2年とする。ただし、再任を妨げない。

第3条(地域代表幹事の選出方法)
各地域が選出候補を総会までに決定し、運営委員会は総会において、各地域の地域代表幹事を紹介し、承認を得る。

「会費・会計に関する内規」

第1条(会費の金額)
会費は、A会費7,000円、B会費4,000円とする。前者は雇用先があり定収入のある会員が対象となり、後者はそれ以外が対象となることを原則とし、会費の選択は自己申告とする。

第2条(運営・編集経費の支出)
学会運営・学会誌編集に関わる諸経費については、学会会計から支出することができる。

第3条(会計監査の任命)
会計監査は、2年ごとに、会員の中から2名を総会が任命する。

「休会制度に関する内規」

第1条(資格)
休会を申請するには以下の資格を満たさなければならない。
・アメリカ史学会のB会員であること
・申請時点までの会費が完納されていること
・海外の大学院の正規学生として在籍していること、もしくは在籍する見込みであること

第2条(会費)
休会中は会費の支払いを免除する。

第3条(期間)
休会期間は3年間とする。ただし、再申請を妨げない。

第4条(休会中の権利)
休会中は以下の会員の権利を停止する。
・会誌の発送
・会誌への投稿
・大会での発表の申し込み
・総会での議決
・代表への選挙権・被選挙権(休会期間は、被選挙権のための在籍期間には算入しない)
・研究グラントへの応募

以下の権利は休会中も維持する。
・メーリングリストによる学会からの連絡
・大会・例会での依頼による報告
・会誌への依頼による寄稿

第5条(申請)
休会には所定の書類を提出し、運営委員会の承認を得る。

第6条(復会)
3年間の休会期間の後、休会の再申請がない場合は、自動的に復会する。ただし、休会期間中であっても、所定の書類を提出し、運営委員会の承認を得て復会することができる。


2004年9月18日制定
2006年9月16日改正
2007年9月22日改正
2008年9月20日改正
2014年9月27日改正
2018年9月22日改正
2019年9月21日改正

以上です。

(※なお、本会の年度は10月1日から9月30日です。)

会員情報変更届について

所属機関、住所、Eメールアドレス、会費資格等が変更になった場合、以下の「会員情報変更届」をダウンロードし、郵送、またはワード文書に書き込んで添付ファイルでお送りください。休会・復会・退会をご希望の場合は、それぞれ「休会届」・「復会届」・「退会届」にご記入の上、お送りください。
なお、本会の年度は10月1日から9月30日です。

「会員情報変更届」をダウンロード

「休会届」をダウンロード

「復会届」をダウンロード

「退会届」をダウンロード


E-mailでの送付先:
 株式会社毎日学術フォーラム内
 日本アメリカ史学会
 maf-jaah★mynavi.jp
(★の部分を@に変更してご利用ください)

また、件名を「日本アメリカ史学会会員情報変更届」としてください。


郵送先:
 〒100-0003
 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 パレスサイドビル9F
 株式会社毎日学術フォーラム内
 日本アメリカ史学会

2019年09月23日

第45回例会(7月例会)の記録

日本アメリカ史学会会員の皆様

2019年7月に開催されました第45回例会の記録をアップロードいたしました。
ファイルはこちらからダウンロードできます。

日本アメリカ史学会運営委員会

2019年09月25日

第46回例会(12月例会)開催のお知らせ

日本アメリカ史学会では、第46回例会を以下のとおり開催いたしますので、皆さまのご参加をお待ちしております。なお、会場やスケジュールの詳細は未定です。決まり次第改めてお知らせいたします。

日本アメリカ史学会運営委員会

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合評会 油井大三郎『平和を我らにーー越境するベトナム反戦の声』(岩波書店、2019年)
日時:2019年12月14日(土)午後 (詳細未定)
場所:東京都内を予定(詳細未定)

登壇者:
著者 油井大三郎(一橋大学・東京大学名誉教授)
コメント 佐藤雅哉(一橋大学)
     根本雅也(日本学術振興会PD)
     大野光明(滋賀県立大学)

『アメリカ史研究』編集委員会より第43号特集投稿論文募集のお知らせ

日本アメリカ史学会会員のみなさま

『アメリカ史研究』第43号では、「1920年代再考」というテーマで論稿を募集します。下記の趣旨説明と投稿要領を参照の上、ふるってご応募下さい。

■趣旨説明
 『アメリカ史研究』第43号の特集は「1920年代再考」とした。来年2020年は、女性参政権と禁酒法が施行されて100年目にあたる。それを記念する意味をこめて、女性が参政権を持ち、禁酒法が施行されたこの時代を100年後の現時点から振り返ってみると、従来の1920年代理解とは異なるものが表れてくるのではないかと期待している。

第一次世界大戦の終焉とともに訪れた「狂騒の時代」は、革新主義の時代とニューディールの時代の間の束の間の饗宴、息抜き、あるいは、禁酒法が象徴する「ばかばかしい実験」として、ある種の「例外」あるいは特殊な時期として扱われる傾向はないだろうか。だが、この時代は今現在と直結するモダニティが現出した時代であり、その構造を、当時確かに新しかった消費主義に還元するのではなく、一歩踏み込んで検討し、歴史的連続性の中でとらえてみれば、異なる解釈や像が浮かび上がってくるかもしれない。

 2016年に出版されたLisa McGirr, The War on Alcohol は、禁酒法を中央政府の強権化の契機ととらえ、実はレッセ・フェールの共和党政権時代に、「大きな政府」の準備が始まっていたと主張している。考えてみれば、革新主義者は、一般的に、正義のエイジェンシーを政府に委ねようとする傾向があった。第一次世界大戦後、”Return to Normalcy”を唱えた共和党政権は、できる限り「小さな」連邦政府を目指したわけだが、実際には禁酒法の施行という前時代からの大きな荷物を背負うことになったのである。

 つまり、アメリカに於ける「禁酒」とは元来、禁欲というプロテスタンティズムの徳目を象徴する振る舞いであって、教会や敬虔な女性たちがそのプロモーションに責任を負っていた。しかし、1920年代に一世を風靡した「フラッパー」は、19世紀に女性たちが専ら背負っていた「道徳の守護者」の役目をかなぐり捨て、身軽になって羽ばたいたのであり、その裏面には、政府が「禁酒法」として表現された道徳を取り締まるということがあった。つまり、民間主導のある種の公共圏の縮小は、政府権力を増大させる契機でもあったわけである。

 それは、トクヴィル的なアメリカのデモクラシーの変質を意味していなかっただろうか。つまり、個々人の道徳的矜持によってアナーキを抑制するような社会構造、あるいは、シヴィル・ソサイエティを前提に成り立つデモクラシーが、「自由」と「デモクラシー」の謳歌の中で何か別の形に変わりつつあったのではないか。

 もし、個人の責任の軽量化、あるいは、それにともなう個人の存在の希薄化と政府権力の増大という構図が、1920年代に進行中であったとするなら、その時代の消費主義、人種関係、国際関係、ジェンダー等は、その動きとどのような関係にあったのだろうか。この局面で、女性が得た参政権はどのような意味を持ち、どのように機能したのだろうか。それは、1929年の大恐慌、ニューディール体制、そして第二次世界大戦へと続くいかなる契機をはらんでいたのか。

 1920年代の”Return to Normalcy”はまた、しばしば孤立主義への回帰ともとらえられてきた。国際連盟への不参加はまさにこのメンタリティの帰結だと。しかし、一方で、アメリカが望むか望まないかに関わらず、アメリカに育った「デモクラシー」は、この時代に世界中に価値として広まり、日本においてもごく短期間「大正デモクラシー」が謳歌されたことは良く知られている。あるいは、「フラッパー」は、その呼称こそ異なるが、グローバルな現象であった。日本でも「モガ」は社会現象となっている。また、近年「グローバル」や「トランスナショナル」などの観点から一国史的枠組みを見直す動きがアメリカ史研究において盛んに行われている。アメリカの「内」と「外」の境界の構築やその揺らぎに注目することで、伝統的な1920年代像を再検討できるのではないか。


■特集投稿論文の要領
1) 投稿資格
  日本アメリカ史学会の会員
2) 制限枚数
  本文・脚注ともに1ページ 43字×38行で 17ページまで 注・図表を含む(厳守)
  (英数字は2文字で、かな1文字と数える。)
3) 期限
  完成原稿の提出 2020年2月7日(金)必着
4) 注意事項
 ①完成原稿は、メール添付によりMSワードあるいはPDF形式のファイルの形で編集委員会Eメールアドレス(下記)に送付し、同時にハードコピーを学会事務局に郵送してください(期限厳守)。なお、編集委員会からの受領通知を必ずご確認ください。
編集委員会Eメールアドレス: editors@jaah.jp
事務局住所:日本アメリカ史学会事務局
〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-1-1パレスサイドビル
株式会社毎日学術フォーラム内
 ②原稿には表紙をつけ、そこに、投稿者の氏名、所属、連絡先(住所、電話番号、メールアドレス)を明記してください。査読の公平性を保つため、論文本文にはタイトルのみを記し、氏名等は記載しないでください。
 ③原稿は横書きとします。原稿のフォーマット等に関しては、日本アメリカ史学会ホームページに掲載の執筆要項にしたがってください。
 ④ 完成原稿は、編集委員会が審査し、その結果をすみやかに投稿者に通知します。

『アメリカ史研究』編集委員会

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